「結婚しても仕事は続けたいです。」
「家事や育児は協力してくれる人が理想です。」
最近、婚活をしている方から、このような希望を聞くことが本当に増えました。
実際、今の時代は夫婦で支え合い、仕事もしながら家事も育児もしていくことが当たり前になっています。
しかし、結婚相談所を運営していて感じるのは、
「共家事=50対50。」
「共育児=50対50。」
「共働きだから全部平等。」
そんなイメージだけを持って結婚すると、現実とのギャップに悩む夫婦も少なくないということです。
私は、共家事・共育児・共働きとは、半分ずつ分けることではなく、その時々で支え合うこと。
そして、その考え方は結婚してからではなく、婚活中にこそ話し合っておくべきことなのです。
目次
今の時代、共働きは当たり前になっている
少し前までは、「夫が働き、妻が家庭を守る。」
そんな家庭が一般的でした。
しかし現在では、その状況は大きく変わっています。
労働政策研究・研修機構(JILPT)が公表している「共働き等世帯数の年次推移」によると、2024年の共働き世帯は約1,300万世帯、一方で専業主婦世帯は約508万世帯となっています。
つまり、共働き世帯は専業主婦世帯の約2.6倍。
(参考:共働き世帯の状況―労働力調査(詳細集計)の結果から―)
今や、「夫だけが働く家庭」の方が少数派になりつつあります。
だからこそ婚活でも、
- 結婚後も働くのか
- 子どもができたらどうするのか
- 家事や育児をどう考えているのか
こうした価値観を結婚前から話し合うことが、これまで以上に大切な時代になっているのです。
女性には出産と育児という、男性には代われない役割がある
男女平等という言葉が世の中飛び交っています。
もちろんお互いを平等に尊重することはとても大切です。
しかし、男性と女性ではどうしても違う部分があります。
男性は出産することはできません。
- 妊娠
- つわり
- 出産
- 出産後の体への大きなダメージ
さらに、多くの女性は出産後に育児休業へ入り、一時的に収入が減ります。
仕事を続けたい女性であっても、キャリアが一度ストップすることへの不安を抱えている方は少なくありません。
その期間は、どうしても男性の収入が家庭の中心になることが多いでしょう。
男性も育児に参加する時代へ変わってきている
最近では、男性の育児参加への意識も大きく変わっています。
厚生労働省の調査では、男性の育児休業取得率は年々大幅な上昇傾向にあり、最新の「令和6年度雇用均等基本調査」では40.5%と過去最高を更新しています。
(参考:令和6年度雇用均等基本調査)
まだ全員が取得する時代ではありません。
それでも、「子どもができたら育休を取りたい。」と考える男性は確実に増えています。
婚活でも、
「うちの会社は男性も育休を取りやすいですよ。」
「子どもができたら会社に相談してみようと思っています。」
そんな話ができる男性は、女性にとって大きな安心材料になるでしょう。
もし共働きを考えているなら、自分の会社の制度や取得実績を確認しておくことも大切な婚活準備の一つです。
子どもが小さい時期は、女性の負担がどうしても大きくなる
現実には、子どもが小さい時期は女性の負担がどうしても大きくなりがちです。
総務省の「令和3年社会生活基本調査(2021年実施)」における、6歳未満の子供を持つ夫婦の「家事・育児など(家事関連時間)」の1日あたりの平均時間は以下の通りです。
- 夫:1時間54分(約1.9時間)
- 妻: 7時間28分(約7.5時間)
夫の家事・育児時間は過去最長となったものの、依然として妻の時間の約4分の1にとどまっています。
夫の参加時間は年々増加しており、2016年の前回調査と比べると夫は31分増加し、妻は6分減少しています。
という結果が報告されています。
(参考:2021年の社会生活基本調査)
もちろん、これは男性が何もしていないという話ではありません。
授乳は女性しかできません。
出産後の体の回復にも時間が必要です。
だからこそ、
- オムツを替える
- 夜中に起きる
- 寝かしつけをする
- 妻に一人でゆっくりする時間を作る
そんな夫の支える姿勢が、夫婦関係を良くしていくのではないでしょうか。
「授乳は代われないから、オムツ交換は自分がやろう。」
そんな考え方が、これからの時代にはとても大切なのです。
男性が家事・育児をする家庭ほど、家族の未来は広がりやすい
実は、男性の家事・育児参加は、夫婦関係だけの問題ではありません。
夫の家事・育児時間が長いほど第2子以降の出生割合が高くなるという傾向は、厚生労働省の「21世紀成年者縦断調査」や「国民生活基礎調査」などの公的統計に基づいた明確な根拠(相関関係)があります。
(参考:男性の育児休業取得が働き方、家事・育児参画、夫婦関係等に与える影響)
内閣府の少子化社会対策白書や厚労省のデータで示されている主な根拠は以下の通りです。
夫の休日の家事・育児時間が長い(例えば「1日3時間以上」など)層ほど、第2子以降が生まれた割合が明らかに高くなる傾向が一貫して示されています。
単に家事をするから直接子どもが増えるという単純なものではなく、以下のような複合的な理由が背景にあると分析されています。
夫の家事・育児参加時間が長い家庭ほど、妻が第一子出産後も就業を継続する割合が高く、これが第2子以降の出産意欲(計画)にプラスの影響を与えています。
夫婦で家事や育児を分担することで、妻の肉体的・精神的な疲労や育児不安が軽減し、2人目以降を持つ余裕が生まれやすくなります。
つまり、「子育ては女性の仕事。」という家庭よりも、「二人で子どもを育てよう。」という家庭の方が、家族としても前向きな未来を描きやすいということです。
子どもを望んでいる方ほど、結婚後に家事や育児をどうするのか。
どちらがどんな役割を担うのか。
そうした話を婚活中からしておく価値はとても大きいと思います。
女性も男性の大変さを理解することが大切
一方で、男性にも大きな責任があります。
出産後は家計を支える中心になる家庭も多く、「自分が頑張らないと。」というプレッシャーを感じている男性は少なくありません。
仕事をして、夜中に育児をして、休日は家族との時間を作る。
決して簡単なことではありません。
だから女性にも、
「仕事お疲れさま。」
「今日もありがとう。」
そんな言葉を伝えてほしいと思います。
夫婦とは、自分だけが大変だと思う関係ではなく、相手も頑張っていることに気づける関係なのだと思います。
共家事・共育児・共働きで一番大切なのは「相手を思いやること」
共家事・共育児・共働きとは、50対50を目指すことではありません。
男性には出産はできませんし、産後に体の負担を体験することはできません。
女性には、産休・育休中に男性が感じる仕事の責任をすべて同じように背負うことは難しいかもしれません。
だからこそ、お互いが「自分だけが大変。」ではなく、「相手も大変なんだ。」と気づくこと。
相手にできないことを自分が補うこと。
相手が疲れていたら、自分が少し頑張ること。
そして、「ありがとう。」「助かったよ。」
そんな言葉を伝え合うこと。
結婚相談所でたくさんのご夫婦を見てきましたが、幸せな夫婦ほど、「どっちが多くやったか。」ではなく、
「相手のために何ができるか。」を自然に考えています。
それが、本当の意味での共家事・共育児・共働きなのではないでしょうか。